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2007年 05月 04日
昨日は事務所で使用しているモニタのキャリブレーションをしてみました。
モニタのキャリブレーションとは、簡単に言えば、そのモニタのRGB各色の 特性を測定し、ハイライトからシャドーまできれいな階調にそろえるものです。 デジカメでいうならマニュアル操作でのホワイトバランスでしょうか。 例えばR100、G100、に対してBが104という測定値が出る ちょっと青味がかるモニタであった場合、グラフィックボードから出る Bの信号を96%ちょっとに押さえ込んで各色の出力を均等にさせます。 (そうじゃない場合もあります) うちには以前から使っているキャリブレーターがあったのですが、 マルチモニタ接続(2台)で両方キャリブレーションしてみると ちょっとばかり色味にズレがありました。 そこで先日もう少し良い測色機のものを購入。 環境光の測定もできるほか、RGBプリンタ(一般的なインクジェットなど)や CMYKプリンタ(ポストスクリプトプリンタ)も、フルパッチではないものの 「ないよりまし」程度にキャリブレーションできる「Eye-One design」。 約15万円也。 本当はCMYKプリンタもフルパッチで測色できたり、スキャナのプロファイルも 作成できる、Eye-One Pro Pubrishが欲しいところですが 約40万円と結構キビシイお値段です。 まあ、必要となったら後々お金払ってモジュールを追加できるので とりあえず簡易版でお試しです。 こんな感じで測色器をぶら下げます。 色を扱うお仕事の場合、デスクトップ画面はグレー(RGB各色128)が基本。 メインモニタがナナオのL997で、サブがApple Cinema Display。 L997はRGB各色独立調整できるから良いのですが、シネマは 輝度くらいしか調整できず困りもの。 これを強引に合わせ込もうとしたのですが、ソフトを起動すると本来 出てくるはずの「マルチディスプレイ」というメニューが出てこない! どうやっても出てこないので、仕方なくミラーリングにして各モニタを測色。 それぞれのプロファイルを当ててみましたが「まるでダメ男」。 う〜ん、連休開けたらサポセンに電話することにします(しょんぼり)。 とりあえずL997の作業結果を見ると、R・G・B各色ほぼ直線(左のグラフ)。 ほとんど補正しなくてもよい素晴らしい特性を持っていることがわかります。 色温度もターゲットである5000Kにバッチリ合っています。 事務所の照明は一応5000Kで演色AAAの蛍光灯を使用していますが、 経時変化とちょっと距離があるのか机上では4500Kという測定値。 このようにモニタがどのような特性を持っていて、データの値から どれだけズレて見えているのかを知ることは重要だと思います。 (ホントはRGBのデータは色ではなく、その値にAdobeRGBやsRGBの 色空間定義を与えてはじめて色になるんですけどね) 例えば、赤味が強く出る性質のモニタと知らずに使っていて、 写真が赤く見えるからレタッチソフトで赤味を抑えてしまうと 元のデータの赤成分がかなり減らされることになってしまいます。 この修正したデータを他の人の正しいモニタに表示させたり、また、 今後新しく買い換えたモニタがニュートラルな性質を持っていたりすると やけに緑っぽい画像が映し出されるわけです。(ちょっとレアケースですが) また、プリンタプロファイルの作成ができる機能が付いている場合、 モニタ同様、そのプリンタの性格(赤が強いとか青がミドリ寄りだとか)を 測定し、それを補正するプロファイルを当てることで、モニタ表示と プリンタ出力の結果をマッチングさせることもできます。 ご家庭でプリントされている場合、一番多い需要ではないでしょうか。 デジカメがこれだけ普及して、写真をモニタで見ることが多くなっただけに お使いのモニタがどういった特性を持っているか確認して、その癖を補正 するために、一度キャリブレーションしてみてはどうでしょう。 Photoshop等をお持ちであれば、Adobe Gammaという目視で調整する アプリが入っていますし、OSにもモニタ調整の項目で似た機能が入っている 場合もあります。 個人差はもちろんのこと、その日の体調によっても色覚は異なるため より正確な測定をお求めの方は、測定器を使った機械式をオススメします。 15万円出さなくてもEye-Oneにもモニタプロファイル作成に特化した Eye-One Display 2という3万円台のものがありますし、 同じ販社からさらに簡易的なものでhuey(ヒューイ)という 1万5千円程度で環境光の測定もできるものがあります。 ご興味のある方はいかがですか?
by kustch
| 2007-05-04 01:41
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